この記事では、お年賀ののし紙の名前の書き方から、基本ルールや表書き、さらには外のし・内のしの使い分けまで詳しく解説します。手渡し・配送のマナーや、松の内を過ぎた場合の対応方法も紹介するので、どんなシチュエーションでも適切に対応できるようになりますよ。
お年賀の贈り物を準備するとき、「のし紙は必要なの?」「名前の書き方にルールはある?」と悩んだことはありませんか? のし紙には大切なマナーがあり、間違えると相手に失礼になることもあります。
「のし紙の正しい使い方を知りたい」「失礼のないお年賀を贈りたい」と思っている方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

お年賀のし名前どうする?

表書きの種類と正しい書き方
表書きとは、のし紙の中央上部に記載する「贈る目的を示す言葉」のことです。お年賀の場合、代表的な表書きには「御年賀」「御年始」「新年御挨拶」などがあります。
「御年賀」は、一般的な年始の贈り物に使われます。一方、「御年始」は、親族や親しい間柄の相手に贈る場合に適しています。「新年御挨拶」は、目上の方やビジネスシーンで使用されることが多い表書きです。
表書きを書く際は、黒の毛筆または筆ペンを使用し、楷書で丁寧に記載しましょう。印刷でも問題ありませんが、手書きの方がより気持ちが伝わるとされています。
名前の書き方と連名のルール
のし紙の下部には、贈り主の名前を書きます。一般的にはフルネームで記載しますが、親しい間柄なら苗字のみでも問題ありません。
夫婦で贈る場合は、夫のフルネームを中央に書き、左側に妻の名前を添える形が一般的です。会社名を入れる場合は、会社名を上に記載し、その下に個人名を小さめに書きます。
グループや団体で贈る場合は、代表者の名前を中央に書き、その他の名前を左側に並べるか、「〇〇一同」とまとめて記載すると良いでしょう。
水引の種類と地域ごとの違い
水引にはさまざまな種類がありますが、お年賀では「紅白蝶結び」が最も一般的です。この結び方は、何度繰り返しても良いお祝い事に使用されるため、新年の挨拶には最適です。
一方で、関西地方では「あわび結び(あわじ結び)」が使われることもあります。この結び方は、固く結ばれて解けにくいことから「末永いお付き合いを願う」意味が込められています。
地域によって水引の文化が異なるため、贈る相手の習慣に合わせた水引を選ぶことも大切です。

お年賀ののし紙とは? 基本ルールとマナー
のし紙の意味と役割
お年賀に添えるのし紙は、単なる装飾ではなく、贈る相手への敬意や感謝を示す大切なものです。のし紙は、贈り物が正式なものであることを伝える役割を持ち、日本の贈答文化に深く根付いています。
もともと「のし」とは、熨斗鮑(のしあわび)という縁起物を簡略化したもの。そのため、お年賀の贈り物にのし紙を付けることで、相手に対する心遣いや誠意を伝えることができます。
のし紙にはさまざまな種類があり、贈る場面に応じて適切なものを選ぶことが重要です。特にお年賀の場合は、一般的に紅白の蝶結びが用いられます。
お年賀ののし紙をつけるべき理由
お年賀の品物にのし紙を付けるのは、日本の伝統的なマナーのひとつです。のし紙をつけることで、贈り物が単なる手土産ではなく、正式なご挨拶の一環であることを表現できます。
また、のし紙には「新年の挨拶として贈る品である」ことを明示する役割もあります。贈る側・受け取る側の双方が、品物の意味を正しく理解できるのも、のし紙を付けるメリットのひとつです。
のし紙を付けることで、相手に対して礼儀正しい印象を与え、心を込めた贈り物であることを伝えられるのです。
のし紙の基本的なデザインと構成
のし紙は、大きく分けて「表書き」「水引」「名入れ」の3つの要素で構成されています。これらの要素が正しく配置されていることが、正しいのし紙の使い方です。
表書きは、のし紙の上部に記載する言葉で、「御年賀」や「御年始」などが一般的です。水引は、贈り物の種類によって適切な結び方を選びます。お年賀の場合は、何度あっても良いお祝いごとに使われる「紅白蝶結び」が一般的です。
最後に、贈り主の名前を「名入れ」として記載します。個人の場合はフルネーム、会社名を入れる場合は会社名+氏名の形で書くのが基本です。
お年賀ののし紙は「外のし」と「内のし」どちらが良い?
外のしと内のしの違いと使い分け
のし紙には「外のし」と「内のし」の2種類があります。どちらを選ぶべきかは、贈るシチュエーションや相手との関係性によって異なります。
外のしとは、包装紙の外側にのし紙を掛ける方法です。のしが目立つため、「贈り物であることを強調したい場合」に適しています。例えば、取引先への年始の挨拶やフォーマルな贈り物では、外のしが一般的です。
一方、内のしは、包装紙の内側にのし紙を掛ける方法です。控えめな印象を与えるため、「あまり目立たせたくない贈り物」や「配送時にのし紙を汚したくない場合」に向いています。親しい間柄でのお年賀や、直接手渡しをしない場合は内のしが適しているでしょう。
手渡しと配送時の適切なのしの選び方
お年賀を手渡しする場合は、相手にのし紙が見えるようにするため、外のしを選ぶのが一般的です。のしが目に入りやすく、丁寧な印象を与えることができます。
一方、配送する場合は内のしが適しています。輸送中にのし紙が汚れたり破れたりするのを防ぐため、包装紙の内側にのしを掛けるのがマナーとされています。特に、デパートやオンラインショップで購入したお年賀を直送する場合、内のしが標準仕様になっていることが多いです。
相手がのしの種類にこだわる場合もあるため、不安な場合は事前に確認すると良いでしょう。
お年賀を贈るシチュエーション別の判断基準
お年賀を贈る際は、相手との関係性や渡し方を考慮して、のしの種類を選ぶことが大切です。以下のシチュエーション別の判断基準を参考にしてください。
ビジネスシーン(取引先・上司):外のしが適切。のしを見せることで、正式なご挨拶としての意味が伝わります。
親しい友人・親族へ贈る場合:内のしでも問題ありません。控えめな印象を与え、気軽に受け取ってもらえます。
配送する場合:内のしを選び、包装紙で保護することで、のし紙が傷つくのを防ぎます。
どちらが適切か迷った場合は、外のしを基本に考えつつ、相手や状況に応じて内のしを選ぶと良いでしょう。
お年賀の贈り方:手渡し・配送時のマナー
訪問時の正しいマナーと注意点
お年賀を直接手渡しする際には、訪問のタイミングや渡し方に注意が必要です。正しいマナーを守ることで、相手に好印象を与えられます。
まず、訪問のタイミングですが、お正月の三が日(1月1日〜3日)は避けた方が良いでしょう。家族でゆっくり過ごしている場合が多いため、1月4日以降の「松の内」の期間(関東では1月7日、関西では1月15日)に訪問するのが適切です。
訪問時は、玄関に入る前にコートやマフラーを脱いでおき、相手に敬意を示しましょう。手渡す際は、風呂敷や紙袋から取り出し、のしの表書きが相手から読める向きにして渡します。「心ばかりの品ですが」などの言葉を添えると、より丁寧な印象を与えます。
配送する場合の適切なのし紙と送り方
最近では、直接訪問できない場合に、お年賀を配送するケースも増えています。配送時には、適切なのし紙を選ぶことが重要です。
基本的に、配送時には「内のし」を選びます。のし紙を包装紙の内側にすることで、配送中に傷つくのを防げるからです。また、事前に相手に連絡し、「お年賀をお送りしましたので、ご笑納ください」などと伝えると、より丁寧な印象を与えられます。
配送の場合、送り状のコメント欄に「お年賀」と明記すると、相手が受け取った際に何の贈り物かすぐに分かるため、受け取る側の負担も減らせます。
お年賀を渡す際の適切な言葉と挨拶
お年賀を渡す際には、ただ手渡すだけでなく、適切な言葉を添えることで、より心のこもった挨拶となります。
例えば、目上の方に渡す場合は「旧年中はお世話になりました。今年もよろしくお願いいたします」と一言添えると良いでしょう。親しい友人や同僚には「今年もよろしくね」とカジュアルな言葉でも問題ありません。
また、取引先やビジネスの関係者に渡す際には、「本年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます」といった、少しフォーマルな挨拶が適しています。
ただ渡すだけではなく、心を込めた言葉を添えることで、お年賀の価値がより高まります。
松の内を過ぎた場合のお年賀の代替方法
松の内を過ぎた場合の対処法
お年賀は通常、松の内(関東では1月7日、関西では1月15日)までに贈るのがマナーとされています。では、この期間を過ぎてしまった場合はどうすれば良いのでしょうか?
松の内を過ぎてしまった場合、お年賀として贈るのではなく「寒中見舞い」として贈るのが一般的です。寒中見舞いは、松の内が明けた1月8日(または1月16日)から立春(2月4日頃)までの間に贈るものです。
また、相手が喪中であった場合もお年賀を控え、寒中見舞いとして贈るのが適切です。その際、「お年賀としてお渡しする予定でしたが、時期が過ぎてしまいましたので寒中見舞いとしてお送りします」と一言添えると丁寧な印象を与えます。
寒中見舞いとして贈る際の注意点
寒中見舞いは、相手の健康を気遣いながら贈る季節の挨拶です。お年賀とは異なり、華美な包装やのし紙は不要ですが、目上の方やフォーマルな場面では簡易のしをつけると丁寧な印象になります。
のし紙の表書きは「寒中御見舞」または「寒中お伺い」とするのが一般的です。また、贈り物の内容は、日持ちのするお菓子やお茶などの消え物が適しています。
また、寒中見舞いは本来、相手を気遣う挨拶状がメインのため、品物を贈る場合でも、簡単な手紙を添えるとより心のこもった贈り物になります。
遅れた場合の配慮とお詫びの伝え方
お年賀のタイミングを逃してしまった場合は、単に寒中見舞いとして贈るだけでなく、一言お詫びの言葉を添えると良いでしょう。
例えば、「本来ならば年始にご挨拶すべきところ、遅くなってしまい申し訳ありません。寒中見舞いとして、心ばかりの品をお贈りいたします。今年もどうぞよろしくお願いいたします。」など、遅れた理由を簡単に伝えつつ、今後のお付き合いへの気持ちを表現するとスマートです。
また、相手が喪中の場合には、「ご喪中とのことで、新年のご挨拶は控えさせていただきました。寒中お見舞い申し上げます。」といった配慮ある言葉を使うと良いでしょう。
まとめ
これまで、お年賀ののし紙の名前の書き方から、基本ルールや表書き、外のし・内のしの選び方、手渡し・配送時のマナー、松の内を過ぎた場合の対応方法まで詳しく解説しました。
お年賀は、ただ贈るだけでなく、のし紙のマナーを守ることで、より丁寧で心のこもったご挨拶となります。特に、表書きや水引の種類、のしの付け方に気をつけることで、相手に失礼のない贈り方ができますね。
お年賀のマナーをしっかりと押さえ、今年も良いご縁を築いていけるよう願っています。ぜひ、この記事を参考に、適切なのし紙の使い方を実践してみてください。
